みなさまは、NHK朝ドラ「まんぷく」をご覧になっていますか?
「まんぷく」は、日清チキンラーメン、いやインスタントラーメン(即席ラーメン)の創始者である安藤百福さんご家族をモデルに、完成するまでの半生が描かれています。
ドラマの影響で、チキンラーメン売り切れ続出のようですよ。
「まんぷく」はクライマックスを迎えようとしていますが、これからの展開が楽しみです。
そして、ドラマを観ていてチキンラーメンのデザインパッケージがとても気になりました。
Contents
初代パッケージをデザインしたのはだれ?
自分が知っている「チキンラーメン」のパッケージはこれ。有名ですよね。٩( ‘ω’ )و
かわいいひよこのイラストが入ったチキンラーメンですが、実はこちら、チキンラーメン歴代7代目のデザインパッケージなんです。
みなさま、ご存知でしたか?
これまで「チキンラーメン」のパッケージについてなど考えて食べる方はごく僅かだったと思うのです。
実は、発売当初から現在のデザインではなかったんですよね。
「まんぷく」ではの初代パッケージデザインは、福ちゃんの義理兄にあたる画家・香田忠彦(要潤さん)が作られていました。
実際に、初代デザインを考案されたのは誰だったのでしょうか?
実物のデザインは、安藤百福氏の友人画家で「竹内仙之助(たけうちせんのすけ)」さんが手がけたもの。
竹内仙之助さんは「すばらしいきしゃ」「たのしいのりもの」「のりものづくし」など、たくさんの著書も出版されています。
乗り物が好きな方だったのですね。٩( ‘ω’ )و
それもそのはず!!
日本で初めて開催された「自転車大競走会」に参加されている記録がありました。
花形選手だったようですよ。
ご自分が大好きだったもの、大好きだったことを著書にされていたのですね。
想いが込められる分、完成する「絵」「イラスト」は愛情が感じられる作品となるのでしょう。
そんな竹内仙之助さんがデザインされた初代チキンラーメンのパッケージがこちらです。
1958年~1967年
15本のセピア色の線を引き、袋の真ん中が卵型の透明部分になっています。
中身が見えることで購入される方に、中身を理解してもらうことができ、消費者のために細かく工夫されたデザインは、当時とても斬新なものでした。
そのデザインの宣伝効果というものは計り知れないものだったでしょうね。
ドラマ中でも良しとされた「調理・味付不要」はほんとうに書かれています。
チキンラーメン その後のデザイン
*2代目パッケージ(1967年〜1971年)
2代目になると、チキンラーメンという商品が定着されたからか?のぞき穴が縮小されました。
その代わり、新しいキャラクターの「ちびっこ」が登場します。(ひよこの前進)
この「ちびっこ」は、ネーミングを一般募集されたもので、日清食品の頭文字である「N」と書かれた帽子を被っていました。
*3代目パッケージ(1971年~1983年)
3代目になると、小窓部分にキャッチフレーズ(おいしさアップ チキンの味と香り)入り吹き出しがプラスされました。
吹き出しを使うというのも新しいデザインではなかったのでしょうか?
*4代目パッケージ(1983年〜1991年)
昭和58年、発売から25年の時が経ています。
日本中の誰もが知っている「チキンラーメン」に、小窓は不要!!
ということで、キャッチフレーズのみのデザインとなりました。
*5代目パッケージ(1991年〜2003年)
ここで、私たちの記憶に新しい「ひよこちゃん」が登場します。
吹き出しのキャッチフレーズも「お湯かけ おいしい 煮込んで たのしい」にリニューアルされました。
個人的には「ちびっこ」が消えてしまったのが残念・・(*≧∀≦*)
*6代目パッケージ(2003年〜2008年)
2000年代に入ると、チキンラーメンの画像がデザイン中に登場しました。
卵をのせたラーメン、ビジュアルで美味しさをアピールしました。
ここで、ひよこちゃんもリニューアルされているんですよ。
チキンラーメンのヒヨコちゃんを昔のデザインに戻して下さい。 pic.twitter.com/0uTWNxRhdi
— S.Vogel (@Edward_VogelN) 2015年7月28日
ひよこちゃんについては、消費者それぞれ、様々な思いがあるようです。
*7代目パッケージ(2008年〜現在)
現在、お店で販売されているパッケージですね。
ちなみに「ひよこちゃんショップ」もあります。
当初は「ひよこ」は存在しておらず、起用されるようになったのは1991年になってからなんですよね。
個人的に「チキンラーメン=ひよこ」というイメージがあります、、、人間の記憶なんていい加減なものですね。
自分が幼い頃見ていたチキンラーメンは、3代目デザインであることがわかりました。
透明窓の部分に吹き出しによるキャッチフレーズ(おいしさアップ チキンの味と香り)がついたバージョンです。
チキンラーメンが大ヒット
めんをどんぶりに入れて、熱湯を注いでラップかフタをして3分待つだけ!!!
夢のような麺料理が家庭で、しかもこんなに簡単作業で食べられるなんて、当時の人々には予想もしなかったことだったはず。
この開発のために、「まんぷく」でわかるように、安藤百福一家は全員で頑張りました。
子供がいじめられたり、、
生活費に苦労したり、、
材料に苦労したり、、
なんどもなんども失敗しては新しいものを試す、その繰り返しだったんですね。
即席めんの5つの原則
・おいしいこと
即席めんは、ただおいしいだけでなく「また食べてみたい」と思えるような味を追求しています。この何回でも食べたくなる味が人気のヒミツ。
・簡単に調理できる
作るのに時間と手間がかからないことから、多くの家庭に受け入れられ食生活を改革する原動力になりました。インスタントラーメンの登場により、家事の時間と手間を節約して、
ゆとりの時間の有意義な活用ができるようなりました。
・長い間保存できる
まだ冷蔵庫が普及していない時代、「冷蔵庫に入れておかなくても常温で長い間保存できるインスタントラーメン」の登場によりそれまで中華料理店や屋台のラーメン屋でしか食べられなかったラーメンが家でも食べられるようになったのです
・手頃な価格
いいものにこだわりながら適正な価格であること。常に合理化に努め、値段が高すぎない努力を続けている即席めんは物価の優等生といわれています。
・ 衛生的で安全
衛生的で安全であることは食べものの基本です。開発をはじめたころからずっと、原料はもちろんのこと包装材料、生産工程、流通経路のすべての段階できびしいチェックを行っています。
この原則を満たすために、繰り返された時間と労力は努力以外の何物でもありません。
そんな魔法のラーメンが売れないはずがありません。
1958年(昭和33年)、萬平さん、安藤百福さんが考案したチキンラーメンは爆発的な大ヒットを生み出しました。
チキンラーメンが大ヒットした理由を百福さんは以下のように分析されています。
・チキンラーメン発売と同じ時期にスーパーマーケットが加工食品を大量販売する流通システムを確立しはじめたこと。
・テレビコマーシャルが効果を上げたこと。
・日本の消費者が食事に簡便性を求めるようになっていたこと。
初代テレビCMはこちら。
チキンラーメンは 当時いくらだったの?
1食35円で販売されました。
35円、一見とてもお安い、お得な価格に感じますが、発売されたのは昭和33年、現在の35円とはわけが違います。
当時(昭和33年)の物価を見てみますと。
大卒初任給:約13,500円
かけそば1杯:25円
牛乳180cc:14円
生ビール1杯:80円
食パン1斤:30円
キャラメル1箱:20円
たばこ1箱:40円
映画1本:150円
はがき1枚:5円
1食35円の「チキンラーメン」がリーズナブルではなかったことがわかるかと思います。
この価格には問屋も顔をしかめるほどだったそうです。(そのくらい高額だったんですね~)
それでも、主婦には必要だった。
それでも、食に刺激が欲しかった。
それでも、新しい食材を食べてみたかった。
だからこそ、チキンラーメンが大ヒットしたのだと想像します。
商品発売後すぐに、品不足に悩まされる売れ行きを見せることになります。
チキンラーメン 類似品に悩まされる
やっとの思いでここまでたどり着いたのに・・。
チキンラーメンが売れれば売れるほど、悪質な類似品が出回ることになります。
「まんぷく」をご覧の方はお分かりかと思いますが、萬平(安藤百福)さんは純粋で、とてもお人柄の良い優しく生真面目な性格。
工場を見学させてほしいと頼まれれば、すぐに製造方法までを隠すことなく見せていたといいます。
この人の良さが裏目に出ようとは・・。Σ(・□・;)
類似品として売り出された商品名は「チキンラーメン?!」
えーーーっ?! ですよね。
日清食品は「チキンラーメン」に関する商標や特許を申請・登録し、類似品の販売差し止めを求める裁判を起こすなどしてチキンラーメンのブランドを守ることに努めました。
対し、類似品を販売する業者は「全国チキンラーメン協会」なるものを設立し、商標登録に異議を申し立てるなどチキンラーメンをめぐる法的紛争は数年にわたって続いたのです。
この紛争から食糧庁から出された勧告は「業界の協調体制を整えること」
そこで設立されたのが「社団法人日本ラーメン工業協会」
安藤氏が理事長に就任されています。
インスタント食品は、ますます盛んになっていきますが、即席ラーメンに関して言えば、麺を質の悪い油で揚げるなど品質に問題のある商品が市場に出回るなど、まだまだ基準が曖昧だったんです。
そこで、安藤氏は法律によって義務付けられる前に、日清・自社製品のすべてに製造年月日の表示を行い、日本ラーメン工業協会においても成分表示や製造基準に関する検討を行ました。
インスタントラーメンに関する日本農林規格を制定するよう農林省に要請を行うなど、インスタントラーメンの安全、信頼の確保のための仕組み作りに取り組んだのです。
日本即席食品工業協会について
即席めん等の品質の向上または企業の合理化を通じて、国民食糧の確保と食生活の改善合理化に資し、あわせて会員相互の連携強調と、その健全な発展を図ることを目的として、昭和39年9月17日に設立されました。目的を達成するために
・即席めんJAS規格に関する業務
・品質表示基準に基づく表示に関する業務
・食育促進のための広報活動
などの活動を行なっています。
チキンラーメンについて、即席ラーメンについて、日清についてもっと深く知りたい!!
という方にはカップヌードルミュージアム(安藤百福発明記念館)をお勧めします。
横浜と大阪池田にあるカップヌードルミュージアムでは、「見て、触って、作って、食べる」大人から幼児まで一緒に遊んで楽しむことができます。
このミュージアムに行くと、インスタントラーメンの歴史を知ることができます。もちろんチキンラーメンもあります!!
カップヌードルミュージアム(安藤百福発明記念館)
*大阪池田
所在地:〒563-0041 大阪府池田市満寿美町8-25
問い合わせ:072-752-3484
開館時間 :9:30 ~ 16:30 (入館は15:30まで)
休館日:火曜日・年末年始
入館料:無料
アトラクション利用料
・チキンラーメンファクトリー:小学生 300円 / 中学生以上 500円
・マイカップヌードルファクトリー:1食 300円
*横浜
所在地:〒231-0001 神奈川県横浜市中区新港2-3-4
問い合わせ:045-345-0918
開館時間 :10:00 ~ 18:00 (入館は17:00まで)
休館日:火曜日・年末年始
入館料:大人500円、高校生以下無料
アトラクション利用料
・チキンラーメンファクトリー:小学生 300円 / 中学生以上 500円
・マイカップヌードルファクトリー:1食 300円
・カップヌードルパーク:1回 (30分間) 300円
・NOODLES BAZAAR –ワールド麺ロード–
1食 300円 (ハーフサイズ)、 ミニチキンラーメン 1食 150円、各国のデザート 300円、各国のジュース 200円、ドリンクバー 200円
安藤 百福 (あんどう ももふく) 1910 ~ 2007
1910年3月5日生まれ。日清食品創業者。安藤スポーツ・食文化振興財団創設者。
1958年、世界初のインスタントラーメン“チキンラーメン”を発明し、インスタントラーメン産業を創出。
1971年、世界初のカップ麺“カップヌードル”を発明。
日清食品(株)の代表取締役社長、会長を務めるとともに、(社)日本即席食品工業協会会長、世界ラーメン協会会長として業界の発展に努めました。
1983年、私財を投じて(財)安藤スポーツ・食文化振興財団を設立し、青少年の健全な育成にも力を注ぎました。
チキンラーメンができるまでの苦労、チキンラーメンが大ヒットしてからの苦労、経営者にとって良い商品を開発し、維持させていくことはとても難しいことなんですね。
自分たちは安くて美味しい、手軽な即席めんを簡単に食べていますが、多くの人の想い、努力があったということを忘れてはいけないと感じます。
即席麺開発、販売に携わった多くの方に感謝しつつ、さらにパワーアップした美味しさの商品が登場することを心から願いたいですね。٩( ‘ω’ )و
NHK連続テレビ小説「まんぷく」
放送期間:2018年10月1日(月)~2019年3月30日(土)【全151回】予定
放送時間:毎週月曜~土曜 朝8:00~8:15、再放送12:45~13:00、BS7:45~8:00
出演(キャスト)
安藤サクラさん、長谷川博己さん、松下奈緒さん、要潤さん、松坂慶子さん、大谷亮平さん 他。
・NHK 朝ドラ2018後期 「まんぷく」ってどんなお話? 登場人物やキャストは?
・安藤百福(あんどうももふく)ってどんな人? 朝ドラ「まんぷく」との関係は? カップヌードルとの関係は?!
・安藤サクラさん ~ NHK朝ドラ ヒロインの華麗なる一族に「まんぷく」
・アミューズの大谷亮介さんってどんな役者さん? ~ NHK朝ドラ「まんぷく」での配役も気なる!!
・朝ドラ「まんぷく」ヒロインの姉を演じる松下奈緒さん~女優として、音楽家として輝く理由
・朝ドラ【まんぷく】福子の義兄役~要潤(かなめじゅん)さんの奥様は美しい女社長!
チキンラーメン【パッケージ】は7代目~気になる初代デザイナーと即席麵の歴史を辿るを最後までお読みいただき、ありがとうございました。