家の中から「ピアノの音色が聴こえたらいいな」と考える方は少なくないですよね?
優雅な気持ちで心癒される時間を作りたいと考えるのは当然のことだと思います。
そんな理由からピアノを習い始めたり、子供さんに習わせたりするご家庭も多いのですが、ここで抱える悩みがピアノを購入する、そのピアノをどこに置くか?という問題です。
果たして、どこにピアノを設置するのが一番理想的なのでしょうか?
Contents
ピアノを置く条件
ピアノを置く場所は、特に規定などありません。
よって、ピアノを使われる(弾く)人の環境によっても設置場所というのは変わってくるのだと思います。
家のどこに置くにしても考慮しなければならないことは、ピアノの性質を理解して置くということです。
ピアノは木やフェルト、金属部分、アクション、ハンマー、弦が組み合わさってできています。
条件によっては、金属部にサビが出たり、温度や湿度が高くなると音が出にくい、音がこもる、また鍵盤が下がったりすることもあります。
ピアノを置く条件として。
・湿度がこもらない場所、こもる場合は除湿機等の設置も考える
・直射日光が当たらない場所
・エアコンや暖房器具が長時間、直接当たらない場所
・寒暖差の少ない場所
ということがピアノを設置するための条件となるでしょう。
アップライトピアノもグランドピアノも同じ条件です。
電子ピアノの場合も熱を持つということを考えると、同じような配慮が必要ではないでしょうか?
ピアノを置く部屋
ピアノを置く条件を満たしていれば、部屋そのものは自由で構わないと思います。
ただし、子供さんが練習で使う際にはやはりご両親の目が行き届く範囲がベストではないでしょうか?
小さい子供さんの練習には、保護者が付き添う場合も多いでしょう。
毎日のお稽古と並行して、家事や料理を進められるのはリビングですよね。
リビングは家族が集う部屋なので、誰かが練習に付きそうことが可能です。
親としては、別室(子供部屋)にピアノを置いて集中した練習に取り組んでほしいと考えますが、小さい子供さんには難しいでしょう。
家族と一緒にいたい、自分だけ一人別室は嫌だと考えるようです。
たとえ別室で練習したとしても、リビングとの往復時間で練習時間が削られてしまいがち・・・。
子供さんの練習を第一に考えるのなら、リビングが良いでしょうね。
リビングにピアノを置く問題点
しかし、リビングにピアノを置くと違う問題が浮上するのです。
家族が集う場所だけに、テレビの音、喋り声、ゲーム機の音、スマートフォンの音、きょうだいが邪魔するなど子供の集中力を奪うものがたくさん。
集中した練習をするためには、練習の時間帯を決める、練習中のテレビ(ゲーム)を禁止するなどの約束事が必要になりそうです。
ピアノは、一度置いたら簡単に動かせるものではありません。
よく考え、話し合った上で置かれることをお勧めいたします。
子供部屋にピアノを置く問題点
リビングにはピアノを置く場所がないという場合、子供部屋にピアノを置かれることには何の問題もありません。
毎日の練習に関しても、練習中は誰かが付きそうことで十分に集中した練習ができると思います。
子供部屋に置く問題点としては、部屋が二階ではありませんか?
二階に置くこと自体は問題ないのですが二階にピアノを入れるとなると、搬入の際にクレーンを使う必要があります。クレーンを使うと搬入(運送)費用は高くなりますので、その点をご注意くださいね。
ピアノ運搬にかかる費用
アップライトの場合
~10km 18,200円
~20km 20,150円
~30km 22,100円
~40km 23,400円
50km~79km 27,950円
80~99km 34,450円
100~120km 37,700円
グランドピアノの場合
~10km 31,417円
~20km 33,800円
~30km 39,260円
~40km39,867円
50km~79km 49,400円
80~99km 61,100円
100~120km 67,340円
クレーンを利用する場合
アップライトピアノ 10000円~
グランドピアノ 10,000円~25,000円
エレクトーン 10000円~
上記金額は目安ですが運搬費用だけでも結構なお値段ですので、クレーンをプラスして2階に置くか、1階の空いている別室にするのかは各ご家庭で御考えください。
和室に置く
ピアノはもともと西洋発祥の楽器、和室に置くのはどう?と心配されるかも知れませんが、和室に置いても問題はありませんよ。
畳は「音」を吸収してくれるので音漏れが気になる方には良いかも知れません。
ただ、重いピアノを置くことで畳が沈んでしまう懸念はあります。
ピアノ担当(ヤマハさん)の営業さんにお話を伺ったところ、一点に重さが集中すると良くないので水平に重さが広がるように板を敷くなどの対策をとれば問題ないとのことでした。
ピアノの置き方
リビングにしても、子供部屋にしても、或いはその他の部屋にしても、部屋のどの部分にピアノを置いたら良いのか?
ずいぶん悩まれる方が多いようです。
繰り返しますが、ピアノは重い!!
アップライトピアノで200~300kg、グランドピアノになると大きいサイズでは400kg以上の重さになります。
ちょっとだけずらす・・ということも、到底無理ですよね。
運搬業者さんがいるときに、ピアノの向き、置く位置、角度などを的確に指示する必要があります。
直射日光を避け、湿気の少ない場所が理想的なピアノは、南向きの部屋で壁側に配置するのがベストでしょうね。
でも、ピアノにとって理想的なお部屋があるとは限りません。
どのお部屋にしても、畳1畳分ほどの大きさがあるピアノを部屋の中央にどど~んと置くわけにはいかないので、やはり壁際につけるのがベストな配置と言えるのではないでしょうか?
この画像はインテリアとしてのピアノ配置はバッチリなのですが(素敵ですよね~)、毎日練習に使うピアノとしてはトラブル発生が考えられます。
直射日光を前面に受けること、結露の影響を受けること、ピアノを置く条件に当てはまらないことが多すぎます。
前面窓という配置は避けた方が良いでしょう。
ピアノを壁際に置く際の注意点
ピアノは定期的なメンテナンスが必要です(調律、調整など)
壁にぴったりとつけると、作業が行いにくくなり十分なメンテナンスができなくなる可能性があるので、少し隙間を開けて置くと良いですよ。
調律や中のメンテナンスを行う時は、前からだけではなく横、後ろ側から楽器を見ることもあるので、四方に人が入るスペースを開けて置くのが望ましいです。
また、壁は思っている以上に「音」を通します。
つまり、壁側に置くことでその部分から音が漏れやすいということです。
壁がお隣の家のリビング側など人が集う部屋に接している場合は、反対側の壁に配置するなどの配慮が必要です。
新築で家を建てられる場合は、予め吸音材を入れられると良いでしょう。
ピアノを搬入する
ピアノを置く部屋、配置が決まりいよいよピアノが搬入されます。
ここで考えておかなければいけないのが、ピアノを搬入する際、どの窓(玄関)から入れるのか?ということ。
決して安易に考えてはいけません。
繰り返しますが、ピアノはアップライトでも畳1畳ほどの大きさがあります。
窓の大きさ次第では、ピアノが通れない(入れない)ことがあります。
事前に営業の方に調べていただくなどの対処をされることが必要かと思います。
窓の前にトラックを駐車していただき、その窓から搬入できるのが一番望ましいかたちではありますが、今の住宅事情ではなかなかそのようなお家は少ないようです。
マンションにお住いの方はエレベーター、玄関、通路(廊下)などもピアノが通らない場合がありますので、事前に調べることを忘れないでくださいね!
ピアノ搬入時には、ピアノ本体をクッション材等で包みます。
ピアノが搬入可能かどうかを確かめるためにエレベーター、階段、玄関等の寸法を測る場合、本体寸法プラス10cm位に加えて、人間一人が通れるくらいの隙間が必要です。
またグランドピアノは、搬送時は脚部を取り外し、縦にして運ぶことができます。
→YAMAHAさんより
ヤマハさんのサイトにて「ピアノ部屋置きシミュレーション」ができます。
これを利用して、部屋にどのように配置するかを考えて見るのも良いですよ。
ピアノは物置ではありません
ピアノの上にあらゆるものが乗せられ、物置き化していることがありますが危険なこともあるため、ものは置かないようにしましょう。
・ビニール加工してある表紙の本やノート、教材、プラスチック製の消しゴム、おもちゃなどを置くと外装を傷めるおそれがあります。
・水の入った花びんや鉢を置いて水がこぼれたら大変です。
ピアノは木やフェルト、金属部分、アクション、ハンマー、弦などでできています。
・ピアノにガラス製品などを置くと共鳴して、雑音の原因となります。
・鍵盤の隙間に鉛筆の芯やヘアピンなどが落ちると、鍵盤が動かなくなることがあります
優雅な気持ちで心癒される時間を作りたいと考え、ピアノを始めピアノを置きました。
熱い思いが詰まったはずのピアノがこのような残念な結果とならぬよう、いつまでも大切に使いたいですね。
ピアノ学習についてもっと知りたい方のために
➡️子供にピアノを習わせる際のピアノ教室の選び方、そして優先すべきこと!!
子供がピアノを練習する際のピアノの置き方はどの部屋、どの場所が望ましい?を最後までお読みいただき、ありがとうございました。