ごく記憶に新しい平昌オリンピック「女子フィギュアスケート」で金・銀メダルを獲得したロシア(OAR)のザギトワ選手とメドベージェワ選手。
甲乙付け難い、ため息が出るくらい素晴らしい演技でしたよね。
ザギトワ選手とメドベージェワ選手は同コーチに師事する同門フィギュアスケーターとして有名ですが、二人が師事するコーチ「エテリ・トゥトベリーゼ」さんとはどのようなコーチなのでしょうか?
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エテリ・トゥトベリーゼ(Eteri Georgievna Tutberidze)
生年月日:1974年2月24日
出生地:モスクワ
代表国:ロシア
トゥトベリーゼさんは、5人兄弟の末っ子としてモスクワで生まれました。
自身もフィギュアシングル選手として活躍していたが、後にアイスダンス選手に転向されました。
18歳でアメリカへ移住し「Ice Capades」で3年ほどアダージョペアスケーターとして参加したのちにアメリカでコーチに転身。
Ice Capadesとは
公式の競技会で引退した元オリンピック選手 やアメリカナショナルチャンピオンのフィギュアスケートなどが行うエンターテイメントショーを中心としたアイススケート公演を行なっていました。
このショーは1995年頃、廃止になっています。
6年間、アメリカで生活した後、ロシアに帰国。
ゼレノグラードにあるアイスホッケーのリンク「Serebrianyi」で指導を開始します。
本格的なフィギュア指導はここがスタート地点だったのでしょう。
しかし、フィギュアスケート選手にとって限られた時間しか練習できないリンクでだったことから、ベースリンクを移し、現在はモスクワのSambo70(サンボ70)でセルゲイ・デュダコフ氏と共に指導に当たっています。
エテリ・トゥトベリーゼ指導選手
モリス・クヴィテラシヴィリ
アレクセイ・エロホフ
ニカ・エガーゼ
エフゲニア・メドベージェワ
ポリーナ・ツルスカヤ
イリヤ・スキルダ
アリーナ・ザギトワ
アンナ・シェルバコワ
アレクサンドラ・トゥルソワ
アナスタシア・タラカノワ
ダリア・パネンコワ
アリョーナ・コストルナヤ
過去には、 ユリア・リプニツカヤさんも在籍されていました。
ユリア・リプニツカヤ引退発表。。。
寂しい!!!https://t.co/10gg9KaMHm#キャンドルスピン#ユリアリプニツカヤ#羽生結弦#ゆづ#頭ポンポン#フィギュアスケート— arrow-moon (@arrow_moon1018) 2017年9月11日
深い表現力と柔軟さを持った、とてもとても素晴らしいスケート選手でしたよね!!
Sambo70(サンボ70)
では、トゥトベリーゼさんがコーチを務め、ザギトワ選手とメドベージェワ選手が所属する「サンボ70」とはどのようなところなのでしょうか?
サンボ70(Sambo70)とは、トップアスリート養成学校でフィギュアスケートだけではなく、あらゆるスポーツ選手を育てる教育施設です。
しかも、日本では考えられないのですが国営の学校ということでレッスン料は無料(授業料無料)!!
ソ連時代から「フィギュア大国」として知られるロシア。
その名声復活を果たすためにサンボ70(Sambo70)は、プーチン大統領肝いりのトップアスリート養成学校だと言われています。
もちろん、アリーナ・ザギトワも エフゲニア・メドベージェワもサンボ70の生徒です。
フィギュアの新規生徒は180人、2018年の在籍は700人というから人気も一流。
学費は無料で週6日のバレエ、ダンス、縄跳び、表現練習のほか、トップ選手には個人授業のサポートもあるそうです。
学費(授業料)が無料ということで「将来、子供をスケート選手にさせたい!!」と考える親は、サンボ70(Sambo70)に子供を通わせるために家族でモスクワに移り住むこと珍しくないのだとか・・。
日本にも国立のトップアスリート養成学校が存在すれば、希望者も大幅に増えることでしょう。
ただ、学費(授業料)無料の代わりに年2回のテストで決められたレベルに達せなければいけません。
それが不可能な場合、除籍せざるを得ない結果に至ります。
かなりの自主性が求められ、根気強い努力が強いられるともいえるでしょう。
メドベージェワ選手は次のように語っています。
ここには私より難しい技を決めるジュニアの選手がいる。
自分の方が年長なのに、彼女たちよりも、もっとうまくなりたいというモチベーションがわいてく。
親切でもあり、厳しくもあるのが、金メダリストを生む世界最高峰の養成所Sambo70(サンボ70)なのです。
ロシアのクラブは通常、国家の税金が投入され、コーチも選手も給料が国家から支払われているそうです。
(詳細はわかりませんが・・)
ロシアにおけるスポーツの国代表は国家公務員のようなもので、社会的地位は極めて高いと考えられますね。
トゥトベリーゼコーチの指導
トゥトベリーゼコーチは厳しい指導で知られ「鉄の女」とも言われていますよね。
練習150% 本番110%
スケートリンクを「工場」、生徒を「原材料」と位置づけ、小さい頃から徹底的にジャンプの指導を行います。
子どもは転ぶことを恐れないため、できるだけ早い時期に4回転ジャンプを学ぶべきだと、小さい頃からジャンプを徹底的に教え込んでいきます。
大人のスケーターは進んで転ぶことをしなくなるが、4回転は転ばなければ習得できないテクニックなのだという理由からです。
早い時期にジャンプ技術を習得することで回転不足の無い演技を導いてくれる・・。
ザギトワ選手、メドベージェワ選手も10年前からトゥトベリーゼコーチの指導を受け、スケーティングの基礎とバレエの練習などで表現力を徹底的に教え込まれたのです。
その結果が、ご存知平昌オリンピックでの演技です!!
エテリ・トゥトベリーゼ コーチが語る、アリーナ・ザギトワ選手の凄さ!『この子は細かい所にウルトラCをさらっと やってるよな!』 https://t.co/GY8Lz95YG6 pic.twitter.com/afLYEucHsG
— 春よこい (@ms06cc) 2017年11月20日
「自己流を最小限に抑えさせ、決まりごとをキチンとさせる」「課題を与えられたら、課題を実行すること」がトゥトベリーゼコーチの基本指導理念のようですが、これは果たして「鉄」なのでしょうか?
指導者として厳しいと言われる所以なのでしょうか??
トゥトベリーゼコーチはこのように語っておられます。
「自分の選手を愛し、義務を果たしているコーチが、厳しいコーチだと言われるのはなぜ?(中略)叱るのは当たり前。選手にやるべき『やりたくない』ことを強制しているのだから。ただそれだけ」
「コーチへの批判というのは、評価の中で、おそらく最も価値のあるものだと思う。褒めてばかり、はいけない」
トゥトベリーゼコーチはスケーティングプログラムに積極的にコミット、振付師と共に選曲、振付、衣装に関わり、勝てるプログラム作りを行なっています。
ずべて選手のため・・・。
フィギュアスケートにしろ、サッカーにしろ、野球にしろ、卓球にしろ、トップアスリートへの道は険しく、厳しいもの。
自分への「甘え」を許した途端、その道は行く手を閉ざしてしまうでしょう。
未来ある若きアスリートの行く手を閉ざすことなく、指導に熱を入れるトゥトベリーゼコーチだからこそ、
メドベージェワ選手、ザギトワ選手をはじめアリョーナ・コストルナヤ選手、アレクサンドラ・トゥルソワ選手のような素晴らしい若きアスリートが、ロシアのみならず世界のフィギュアスケート界を担っていけるのではないでしょうか?
ダイアナ・デイビス
トゥトベリーゼさんは、2003年に「ダイアナ・デイビス」さんを出産されています。
母と同じ道を選んだのでしょうか?
アイスダンス選手として頑張っていらっしゃるようですよ。
もちろん、ダイアナさんのコーチはトゥトベリーゼコーチです。
プライベートのこのような動画もあります。
トゥトベリーゼコーチはチーム内に不和が起きないよう、教え子たちには「ライバルを尊敬するように」と教えてきたそうです。
平昌オリンピックで勝敗を競ったザギトワ選手とメドベージェワ選手ですが、お互いを認め合い、仲間であることを強調してきた・・ということが理解できるような気がしませんか?
毎日二人で切磋琢磨してきたからこそ、この最高の舞台で輝けたと思う。だから、二人のメダルは二人でとったようなものだと感じたよ
最高の演技をありがとう╰(*´︶`*)╯
これからも強く、美しい二人でいてね pic.twitter.com/vazw5IANSK— そーら (@skate4Lz3A) 2018年2月23日
エテリ・トゥトベリーゼ(Eteri Georgievna Tutberidze)コーチについて、いかがだったでしょうか?
何を言われようとも、平昌オリンピックでの金メダリスト(アリーナ・ザギトワ)、銀メダリスト(エフゲニア・メドベージェワ)を育てた事実に違いはありません。
また、それに次ぐ素晴らしい選手をたくさん抱えていることも事実です。
これからのフィギュアスケート界にどのようなドラマを生み出していくのか、とても楽しみですね。
ロシアフィギュアスケートの選手たち、日本フィギュアスケート選手と共に、私たちに深い感動を与えてくれることでしょう。
世界フィギュアスケート選手権2018に出場予定のエフゲニア・メドベージェワ選手、足の怪我により、試合欠場となりました。
心配ですね。(羽生選手も怪我の治療のため、欠場になってしまいました。)
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ザギトワ選手 メドベージェワ選手 リプニツカヤ選手を育てた「エテリ・トゥトベリーゼ」コーチとはどのような女性なの?を最後までお読みいただき、ありがとうございました。